「民主主義とは何か」この夏、とことん考えたい

… 市民参加、市民参加と言いますが、私は市民に選ばれた市長です。私が決めた基本方針を、これもまた市民が選んだ議会で承認した。これが民主主義でしょう … 狛江市の新図書館建設、公民館改修等に関する基本方針をめぐる松原市長の発言です。(2022年6月議会)
狛江市の新図書館建設は、駄倉小学生クラブの廃止、駄倉地区センターの廃止など、6つの公共施設の統廃合を伴う市の重要な計画です。しかし、この基本方針が策定されたプロセスは、市民参加条例に定めた手続きを取らず、会議体も作らず、議事録も存在しないという極めて不透明なものでした。それでいいのだということでしょうか。
議会に提出されたのは、決定事項である基本方針に基づいて「基本構想」を策定するための業者への委託費でした。しかも、その予算は、新型コロナ緊急対策補正予算としてワクチン接種や新生児への給付金など、緊急を要する施策の中に入れ込まれたもので、「基本方針」に関して議会で議論する機会は保障されませんでした。こうした松原市長の市政運営に対して、然るべき手続きに則って進めるようにと4500筆の署名が集まっています。
松原市政1期目最後の議会、6月7日に示された松原市長の「民主主義」の考え方は、条例より権力、住民に選挙で選ばれた首長の権限を「民主主義」の名を借りて行使するという考え方に思えます。異なる意見は聴かないのだというのが松原市政のまちづくりの方向性だとしたら、それはとても怖いことです。

6月7日は娘が私を母にしてくれた日です。私は子育てを通して「民主的な集団を作る子どもたちの力を育てたい」という公民館保育室活動と出会いました。仲間たちとの学び合いの中で、自分が主権者であること、社会をつくっている1人であることに気付かされ、民主的であるとはどういうことなのか、自分の足もとが何とつながっているのかを問われ続けています。
多数決も民主主義、議会という制度も民主主義。だからこそ、リーダーは異なる意見をどれだけ聴こうとするのか、その姿勢を尊重しようとする在り方が求められるのではないか、首長に「民主主義の真価」が問われるのではないかと思います。「民主主義とは何か」を考え直すことが大事であると、松原市長の言葉は改めて私たちに大事な課題を投げかけてくれました。

「民主主義」とは何でしょうか
「民主主義」にどんな可能性があるのでしょうか
「民主主義」は格差を是正し、平等な社会を実現できるのでしょうか
​皆さんはどう考えますか。この夏、私は「民主主義」について、とことん考えたいと思います。