「市民センター改修等基本方針」について、公民館と図書館だけでなく6つの公共施設に関わる新しい計画であることが議会で確認され、重大な2つの問題が明らかになりました。それはまず、この基本方針は会議体を作らず、メンバー不明、議事録も残さずに狛江市が策定したという事実です。次に、狛江市が「市民参加と市民協働に関する条例」に則らずに基本方針を策定したことです。市民参加条例は多くの市民が利用する図書館、公民館などの公共施設移転や廃止、変更の際は、あらかじめ市民参加の手続きをとらなければならないと定めています。しかし、狛江市はそれぞれの施設のあり方の検証も行わず、審議会や利用者の声も聞かずに基本方針を策定しました。
2014年、狛江市は市民センター改修に関して、自らの説明不足により市民に不信感を与えたと言う理由で実施設計を見送り、今後は住民参加で進めると発表しました。そのため、公民館・図書館の増改築には市民からの大きな期待が寄せられていました。しかし、今回の基本方針の発表は2014年当時より強権的であり、市民を無視した進め方であると、市民の間で撤回を求める声が高まっています。
議事録も作らず、会議体も作らずに策定された不透明な計画。条例に則らずに行われる計画への財政支出を狛江市議会として認めるのかどうか、私は議会の存在意義が問われる重大な問題だと捉えています。
今年3月に策定された「狛江市第4次基本構想」に狛江市の将来都市像として掲げられているのは「ともにつくる 文化育むまち」です。そこに向かって歩み出したはずの狛江市が、住民が長年充実を求め、期待し続けて来た住民のための図書館・公民館等増改築の計画に関して、なぜ住民不在で基本方針を策定し、基本方針の枠組み・スペースの変更はしないと進めているのか、残念でなりません。