「狛江市個人情報の保護に関する法律施行条例」にはどうしても賛成できない

狛江 12月議会 本会議最終日
「狛江市個人情報の保護に関する法律施行条例」に賛成すべきか反対すべきか、考え続けた秋でした。ある方から「自分の命は個人情報保護法や条例によって守られている」「それでも法には抜け穴があって、そこからいつ自分の情報が流出してしまうか心配でならない」と相談を受けていたので、様々な資料をあたり、学習会に参加し、何が問題なのか、自治体は、議会はどう対応すべきなのか、考え続けました。そして、やはり、どうしても賛成することはできないという判断に至りました。
少し長いですが、議会での平井里美の討論をアップします。皆さんはどう考えますか。
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2021年5月、デジタル改革関連法が成立し、
自治体にもデジタル化の波が一気に押し寄せ、自治体の個人情報保護制度についても大きく変えられようとしています。
これまで、地方公共団体が保有する個人情報については、マイナンバーに関わる個人情報等、一部の例外を除き、自治体がそれぞれ独自の個人情報保護条例で行なっていました。
ここには、国に先駆けて先進的な自治体が個人情報保護条例を整備してきた歴史があり、また、地方公共団体が保有する個人情報の保護については、市民に最も身近な地方公共団体が、保護のあり方を判断することが適切であるという共通の認識がありました。
しかし、デジタル社会形成整備法により、地方公共団体が保有する個人情報の取扱についても、個人情報保護法の下で共通のルールが定められることになりました。所管も、個人情報保護委員会に一元化することとされました。一部「条例制定が可能」とされる部分は残されていますが、全国に約2000ある条例が、全てリセットされることになったのです。
狛江市は、国から示された雛型に従って「個人情報保護条例」を廃止し、「施行条例」策定を進めていますが、自治体によってはリセット後も「個人情報保護条例」とする市区町村もあります。
自治体が先駆的に守ってきた個人情報保護、プライバシー権、自己情報コントロール権など、条例改正によって、個人の基本的人権尊重がおろそかにされかねない問題があるとすれば、住民にとってはとても不幸なことです。
本当に守らなければならないのは何なのでしょうか。自治体はどう対応すべきなのでしょうか。議会として問われる重大な問題であると受け止め、私平井里美は、以下の2つの理由で、どうしても賛成することはできないとの判断に至りました。
まず、国による条例画一化は、地方自治・地方自治体主権、条例制定権の否定である重大問題であると考えます。
今回の法改正に基づく 条例改正にあたって、国から示されたガイドライン。ガイドラインは、技術的助言に過ぎないはずですが、地方自治体に強い規律を求めています。
しかし、地方公共団体は、地域の特性・実情に応じて必要な個人情報の施策を実施することが義務付けられています。
ガイドライン通り、国の指示に従順に従うことは、地方自治の理念に反することになるのではないでしょうか。地方自治のあり方を変えてしまう条例改正になりかねないことを危惧します。
次に、狛江市が守らなければならないのは、住民の個人情報だということです。自治体が先駆的に守ってきた個人情報保護、プライバシー権、自己情報コントロール権など、個人の基本的人権の尊重が不十分な状態で、データの利活用を可能にする本条例は、個人情報保護の後退に繋がり、ひいてはデジタル監視社会へと踏み出すことになりかねません。
以上のことから、私、平井里美は本議案に反対致します。