大切なのは「今」

2025/11/29 全国から集まった120名を超える皆さんと一緒に、池辺晋一郎さんの指揮で歌うことができ、改めて「悪魔の飽食」の持つ力に圧倒され、感謝の思いが溢れました。司会進行は檀ふみさんが務めてくださいました。
長い間語ることを禁じられていた731部隊で行われていた人体実験。小説家である森村誠一さんと作曲家である池辺晋一郎さん、委嘱した神戸市役所センター合唱団の田中嘉治さんによって生まれた組曲「悪魔の飽食」。
私がいつか歌いたいと思ったのは9年前でした。楽譜は4年前に入手したのですが今年5月からの練習に参加させていただき、一昨日共に舞台に立つことができました。
実は、3日前に発熱、幸いインフルエンザでもコロナでもなく医者の許可をもらって参加することができました。が、一緒に頑張って来た狛江のSさんがインフルエンザでご一緒できなかったのはとても残念でした。
午前中のリハーサルでは、歌いながら皆さんの深い思いに包まれ、何度も涙をこぼしてしまいました。でも、本番は会場の皆さんだけでなく、尊い命を理不尽に奪われた人々、731部隊、戦争に関わったすべての生命に届くよう、また、私自身へも問いながら歌いました。
「『悪魔の飽食』はとても辛くてやりきれない歌なのに、長い間歌い継がれ、全国から共に歌うために集まってくださるのは、二度と過ちをくり返さないために、私たちはつながるんだと、明日に向かう歌だから」との池辺さんの言葉は、まさにその通りです。池辺晋一郎さんは今回のコンサートのためにさらに次の言葉を寄せてくださいました。
「歌うことは平和のために有効だろうか。力を持つだろうか。歌ったからと言って、ただちに平和とはならないことはわかっている。音楽にそんな力は、ない。だが、歌う人たち、聴く人たちの心を結びつけるために、じわじわと波を広げるために、歌は有効だ。『東京合唱団』のメンバー全員がそのことを熟知している。会えば、そして声を合わせて歌えば、広がりの実感を抱く仲間だからなのだ。この実感が真の平和という現実になり、それゆえに歌う必要がなくなって解散を余儀なくされるいつの日かのために、大切なのは『今』だ。」
今は亡き森村誠一さんの言葉を、池辺晋一郎さんの音楽、30年前、今も神戸市役所センター合唱団の代表である田中嘉治さんと共に響き合わせることができた「今」に心から感謝します。
指導してくださった金田まりこ先生、ピアニストの小野綾子さん、寺本沙綾香さん、運営委員の皆さまのお力あっての「今」です。どうもありがとうございました。