今週はひらい里美の一般質問でした。今回の質問では「過去と未来をつなぐ公文書の役割」「ティーンズルーム若者支援機能の充実」「地下水のPFAS調査と災害時対応」の3つをテーマとしましたが、これらすべての根底には「市民の願いをどうまちづくりに反映し、未来へ引き継ぐのか」という思いがあります。一般質問を通して「市民参加」の歴史を改めて問い直す機会をいただきました。
▼「ともにつくる」喜びが実を結んだ新市民センター
皆さんは先月オープンした新市民センター「こまえみらいテラス」にはいらっしゃいましたか。私はオープニングセレモニーに参加させていただき、12年近くかかってリニューアルオープンしたこの施設を前に、さまざまな思いが込み上げてきました。
11年前、私たちは「公民館・図書館再生市民プロジェクト」というグループをつくり、「単なる室内リフォームではなく、市民の声を聞きながら改修を進めてほしい」と要望を続けました。私たちは単に市の計画に反対するのではなく、再生建築の専門家である青木茂氏を講師に招き、スクラップアンドビルドではない「リファイニング」による具体的な対案を提示しました。環境負荷と予算を抑え、今ある建物を生かしながら新たな価値を生み出す提案を、約80名の参加者と活発に議論したのです。当時の議員11名の参加もあり、関心の高さがうかがわれる学習会でした。
その後、4000筆以上の署名とともに議会に提出した陳情は全会一致で採択され、市主導だった改修案は見直しに。市と市民が協定を結び「市民センターを考える市民の会」が発足しました。私たちは1年かけて市民提案書をまとめ、市はそれを生かすと約束しました。歴史的に大変意義のある「市民参加」のモデルケースを創り上げることができたと思います。
新市民センター「こまえみらいテラス」は、残念ながら増築はかないませんでしたが、不可能と言われていた室内壁面を取り払った改修、テラス・スペースの確保や市民広場と一体化した改修など、単なる内装改修にとどまらない、当時の市民の要望が多く取り入れられた形となりました。これは、まさに「ともにつくる」ことの喜びが実を結んだと言えるのではないでしょうか。
▼公文書がつなぐ「社会の記憶」
この度の一般質問では、こうした狛江市の成功の歴史を未来につなぐための「公文書」の役割について確認をしました。
11年前、当時の企画財政部長が、私たち市民に対し、かつて市と市民が共に取り組んだ「狛江駅北口開発」の歴史を公文書という「社会の記憶」を示しながら伝えてくださったこと。それが「市民センターを考える市民の会」誕生の大きな後押しとなったことを、改めて議場でお話しさせていただきました。
「過去と未来をつなぎ、社会の記憶を維持していく」という市の重要な使命を、当時しっかりと果たしてくださった企画財政部長に心から敬意を表します。この経験こそ、公文書が単なる記録ではなく「市民参加を担保し、未来を創るための羅針盤」であることを示しています。
▼「アリバイづくり」に終わらせないために
しかし、その後の新図書館の分割移転方針に関しては、多くの公共施設の統廃合を伴う新たな計画であるにもかかわらず、市民参加条例が蔑ろにされたまま進められ、多くの課題を生み出す結果になってしまいました。
何のため、誰のために「市民参加」を行うのでしょうか。
多くの人が関わることは非効率かもしれません。しかし、思いを伝え、受け止め、自分とは異なる価値観と出会うことで、関わった市民や職員の視野は確実に広がります。そして、市民が公共施設を「自分たちの施設なのだ」と思えることが、行政にお任せにならない地域、「ともにつくる」地域を育むのです。私はこの狛江のまちで、その経験をさせていただきました。だからこそ、新図書館計画が残念でならないのです。
「市民参加・市民協働」が、行政や議会にとっての単なる「アリバイづくり」に終わってはなりません。「ともに創ったのだ」という誇りが、市民にも職員にも残っていくような、真に価値のある「市民参加・市民協働」を心から願ってやみません。

