「ミロ展」「表現の不自由展」

Bunkamuraで行われている「ミロ展」、国立市民芸術小ホールで行われた「表現の不自由展」に行って来ました。
20代の頃一緒に仕事をしたフランス人のボスのオフィスにかけられていたいくつものミロの版画。ボスのアンリさんとミロとは古い友人で、アトリエで過ごす2人の写真を見ながらアンリさんからよく話を聞いたものでした。
プロジェクトが終了する時「好きな作品をプレゼントするよ」といただいたのが、大好きだったこの版画。ミロが亡くなり、アンリさんも数年前、南フランスで眠りにつかれました。
とてもよく似たお2人で、ミロ展は当時を懐かしく思い出させてくれました。ミロの伸びやかな線は時に踊り出し、時に生命を包みこみ、怒り、悲しみ、文字へと形を変えて…その線に紡ぎ出される世界に魅了されたステキな時間。また、次第に忍び寄る戦争に、表現することやものを言う自由が奪われるという恐怖と不自由を乗り越えて来られた2人は、今、空の上からどんな思いで世界を見ているのか…そんな悲しい対話の時間でもありました。
表現の不自由展
当たり前に自分の中にある思い、平和や悲しみを表現することがなぜ不自由な国になってしまったのだろう。作品から伝わってくるその悲しみに心揺さぶられました。