少年が教えてくれたこと

あまりに、悲しい判決。
https://mainichi.jp/articles/20190228/k00/00m/040/194000c

「日本国籍が無ければ人権はない」
「子どもには人権はない」 それが日本という国。

かつて、日本語学校で担任をしていたタイ人の少年K(14歳)が事件を起こしました。通訳もつけられず、担当弁護士は特許専門の弁護士。裁判所の調査官が少年のために日本語学校に来ることは一度もありませんでした。私たち教師は嘆願書を提出し、裁判への証人申請をし、通訳をつけるよう弁護士に抗議しました。それで初めて少年は事件について自分も被害者であったことを話し始めました。しかし、警察も調査官も弁護士も、少年の立場で調査することはありませんでした。

「日本国籍がなければ人権はない」
「子どもとして保護されることもない」
少年の事件を通して私は、それが私の国「日本」なのだと思い知りました。

かつての14歳の少年は、日本を恨むことなく、現在タイの日本企業で働き、幸せな家庭を築いています。裁判の判決を変えることはできませんでしたが、「私たちはあなたを信じている」「あなたは一人じゃない」というたくさんの思いが彼を支えたのかもしれません。

「人権や命の重さが、国籍によって違う」とても悲しいことですが、何もしないでいることはそれを容認し、差別する側にいることになるのだということ。それを良しとしないためには行動するしかないのだということ。少年Kが教えてくれたことです。