「高尾山学園」を視察しました

今月、三多摩地域の市議会議員有志で「川崎市こども夢パーク」と「高尾山学園」を訪問。
とても多くのことを学ばせて頂きました。
どちらも学校に行くことが困難な子どもたちの学びを支える施設です。
●「高尾山学園」
不登校児童生徒のための特例校として2004年に設立され、八王子市が運営している小中一貫校です。教育指導要領の2割減、手厚い人員配置を多くしているのが特徴。年間5,300万円の人件費を八王子市独自の行政予算で負担しています。
授業は出入り自由、play roomや相談室、保健室など、教室以外の居場所があり、子ども自身が時間割を選択できます。教員以外に2人〜10人の補助員が授業をサポートしていることに驚きました。
校長の黒沢正明先生は9年前、民間人校長として着任された方です。様々な傷つき体験のある子どもたち、教師不信を抱いている子どもたちが、わかる楽しさと知的好奇心を持ち、仲間を得ることができる学校づくりに力を注いでいる情熱的な方。同世代、同じ学年ということで親近感。
コロナによる一斉休校は高尾山学園の子どもたちにとっては追い風になったそうです。学校を休むことに負い目を感じなくてすむ2ヶ月間だったこと。その後、実施された分散登校、半日授業は、丸1日学校で過ごすことを辛いと感じる子どもたちは登校しやすくなったのだそうです。しかし、授業が全日に戻ると、再び学校に来られなくなる状況に戻ってしまったと聞き、学校って何なのかを深く考えさせられました。
学習指導要領は学びを平等に保障するためにあるわけですが、それは学習を提供する側の都合で作られているのではないか。画一的に進められる学校教育制度の中にあって「不登校」という子どもたちのSOSはとても大切なシグナルなのではないかと思いました。
クラスの人数を半分にする、教師や大人を増やすなど、なぜこの国ではできないのでしょうか。一人ひとり違う子どもたちが、画一的な「学校」という枠に押し込められなければならない現状。学校に傷つけられた子どもたちが戻るべき場所は本当に学校なのでしょうか。子どもたちは学校でしか学べないの?
子どもたちが命がけで投げかけてくれているこれらの問題は、私たち一人ひとりが主権者として問われているのだと改めて思いました。