【最高裁判決に伴う生活保護基準引き下げ分の追加給付】

2026/05/21狛江市議会第2定例会が始まりました。
補正予算質疑【最高裁判決に伴う生活保護基準引き下げ分の追加給付について】
2013年から2015年にかけて国が物価下落を理由に生活保護の基準額を平均6.5%、最大10%引き下げた処分に対し、受給者が生存権をかけて提訴した「いのちのとりで裁判」は、昨年(2025年)6月に最高裁において国側の敗訴が確定しました。最高裁は国の計算方法を「合理性がない」と判断し、減額処分を違法としたものです。
判決を受けて国は過去に遡って不足分を還付する方針を示しましたが、その給付額は事実上半額程度に抑えられています。さらに、裁判の「原告」とそれ以外の「一般の受給者」との間で支給額に差が設けられるなど、対象者間に分断が生じる不公平な対応となっています。本来であれば、すべての対象者に100%全額が公平に還付されるべきです。
今回の狛江市補正予算(第1号)において、本市における具体的な給付対象やスケジュール、事務体制について確認し、市への要望を伝えました。
◆狛江市における追加給付の現状とスケジュール
* 対象世帯数(全体): 1,131世帯 (内訳:現在受給中の方に加え、すでに生活保護を廃止、または他自治体へ転出された方が約900世帯含まれると推定されています)
* 想定支給額: 1世帯あたり平均 約76,000円(世帯構成や受給期間により異なります)
* 総支給見込額: 85,956,000円
【支給スケジュールと体制】
* 現在受給中の世帯: 8月中の中に追加支給ができるよう、現在計算ツールの検証作業など準備が進められています。
* すでに廃止・転出された世帯: 秋頃から受付を開始し、随時、審査・計算を行い支給する予定です。
過去10年以上の実績を個別に遡って再計算する極めて煩雑な事務となるため、市では会計年度任用職員2名を配置して対応します。また、連絡がつきにくい廃止世帯や転出者への周知については、国が設置した相談センターや特設ページ等と連携し、市の広報やホームページも活用して周知に協力していくとのことです。
◆要望
今年10月からは物価高対策の「特例加算」が1,000円増額(2023年から累計2,500円の増額)される予定ですが、毎月の保護費のベースそのものが引き下げ前の水準に戻るわけではありません。10年以上にわたる削減と、昨今の物価高騰や家賃の値上げが重なり、受給者の方々の生活は深刻な影響を受けています。現場からの相談を受ける中で、憲法25条が定める「健康で文化的な最低限度の生活の保障」が困難な状況にあることを痛感しています。こうした現状を踏まえ
▶︎支給決定通知を受け取った市民が、国の算定額に納得がいかない場合、3ヶ月以内に都道府県知事へ「審査請求」を行う権利があります。窓口等で相談があった際は、この法的な手続きがあることを適切に伝え、誠実に対応すること。
▶︎ 「人にやさしいまちづくり」を目指す狛江市として、市民の生存権を守る立場から、受給者を分断するような国の姿勢に対し、全国市長会などを通じて国へ是正を求めていくこと。
を要望しました。
生活保護は全ての人に保障された権利であり、重要なセーフティネットです。今後も行政の動きを注視し、必要な発信を続けます。