家族のなかの戦争と復員日本兵のPTSD

「私の父は子どもたちと関わらない、笑わない、まるで死んでいるような父親だった」黒井秋夫さんは父親の死後、自分の父親が戦争によるPTSDであったことを知ることになります。きっかけは沖縄のキャンプハンセンからベトナム戦争に従軍した元海兵隊員のアレン・ネルソンさんとの出会いでした。
先月、武蔵村山にある黒井秋夫さんのお宅を訪ねました。黒井さんは自宅の1部屋を資料館として開放、そこは近所の子どもたちの居場所にもなっています。黒井さんのもとには「自分の父もそうだった」「自分の祖父もそうかもしれない」という声や、さまざまな資料が全国から集まって来ます。多くの人の「家族」の中に同じように今なお「戦争」があり、家庭内暴力や歪んだ支配が何世代にも渡って脈々と続いていくことを知った黒いさんは、同じ思いをする人をなんとかなくしていきたいと、戦争に関する資料を集め、分かったことを伝えていく活動を続けています。
2月13日(日)14:00~ 狛江市のM.A.P.にて「黒井さんの話を聞く会」を開きます。zoomでの会になりますが、数名会場参加も受付ますので、ぜひご参加ください。参加費は500円です。
今年は沖縄復帰50年、沖縄戦体験者の4割がPTSDに苦しんでいると言われています。黒井さんと同じ思いを抱える家族を、沖縄もイラクも、アフガニスタン、パレスチナ、カンボジアも、シリア、コソボ、南スーダン、ウクライナ・・・延々と生み続けている私たちの社会です。