「市民自治をめざす三多摩議員ネット」研修報告

 私が所属し活動する「市民自治をめざす三多摩議員ネット」は、多摩地域の無会派自治体議員を中心にネットワークを作り、研究会を開いたりや東京都や政府に対して提言を行なっています。毎年行っている視察+研修をご報告します。
● 研修1日目
 食品残渣を再資源化する民間の施設「羽村バイオガス発電所」を見学させていただきました。
羽村市は廃棄物最終処分場のある日の出町に隣接する地域です。まず、住民の皆さんが自分たちにとってのゴミ処理施設を主権者として考え、企業と共に考えていく信頼関係が築かれていることに驚かされました。そして、代表である植田さんの「高級レストランでの規格外品を使ったコース料理の提供が注目され始めているが、食品残渣だけでなく農業残渣を再資源化していきたい。フードロスを無くし、資源の地産地消を当たり前にしていくこと、それが本当のカーボンニュートラルにつながる」という真っ直ぐな言葉に心打たれました。
 その後、生ゴミを容器と分娩、破砕し液状化する施設を見学、説明を伺いました。施設の中は生ゴミ独特の強い臭気があるのですが、エアカーテンの効果で棟の外では全く臭気を感じません。再資源化される食品残渣は固形物だけではなく、例えば豚肉の茹で汁なども運び込まれ処理され、電気と肥料になります。
 有機物の発酵によるメタンガスでの発電、生ゴミのリサイクルの可能性、そして事業として地産地消で取り組んでいくことがとても重要であると思います。
 バイオガス発電所見学の後、高尾の森わくわくビレッジに移動。ここは都立八王子高陵高校の跡地に、高校の建物をそのまま再利用して2005年4月にオープンした宿泊可能な体験型学習施設です。コロナワクチンの接種会場となっていたので、到着時は賑わっていましたが、学習施設と宿泊は貸し切り状態でした。
 夕食前に、元教室で「化学物質汚染の面から廃棄物利用と資源循環社会を考える」学習会を行いました。講師の藤原寿和さんは、廃棄物処分場問題全国ネットワーク/化学物質問題市民研究会の活動をされていて、大変広範囲にわたる課題についてお話しいただきました。大量生産、大量消費、大量廃棄、大量リサイクルの問題は、私たち人類の在り方が問われる問題です。
 藤原さんが講演で紹介された明日香壽川さんのグリーンニューディール。狛江では昨年から明日香さんを講師に市民の皆さんが定期的に学習会を続けています。更に広げていきたいと思います。
●研修2日目
 7月8日は日の出町長の田村みさ子さんを表敬訪問しました。田村町長は三多摩議員ネットの仲間です。お祝いをお伝えし、日の出町の行政や課題についてお話しを伺いました。
 私は初めてお目にかかったのですが、議員として頑張って来られた経験を元に、きめ細やかでしなやかな、それでいて大らかなまちづくりに向けて取り組んでいらっしゃる姿にとても嬉しくなりました。
  今日はあいにくの雨でしたが、長年処分場の調査を続けていらっしゃる日の出町議員の中西さんに案内して頂き、谷戸沢処分場を訪れました。谷戸沢処分場はすでに埋立が終了し、緑の復元が進められているのですが、現在も地温が44℃あると言います。市民による調査があるからこそ情報が開示され共有されていること、とても大事だと思います。当初の地温は70℃以上あったとのこと、見えない地下で起こっていることはやはり不安になります。